2022年7月

税制優遇を受けながら老後資金を作るのがiDeCo(イデコ)=個人型確定拠出年金で掛金全額が、課税所得額から差し引かれることで所得税・住民税・社会保険料が軽減されます。

また確定拠出年金内の運用商品の運用益については、非課税で再投資され、受給年齢に到達して確定拠出年金を一時金で受給する場合は「退職所得控除」、年金で受給する場合は「公的年金等控除」の対象となります。

イデコはポータビリティ=年金原資を持ち運びができるので転職して、会社の確定拠出年金から脱退しても次の確定拠出年金へ引き継ぐこともできますし、退職して自営業になった場合でも引き続き積立てることができます。

(具体的手続きや制度の詳細はイデコの公式ホームページ等で内容を確認して下さい。)

 

同じく非課税制度ですがイデコほどの税制優遇や制限が無いのが積立NISAで、資産形成に役立ちます。

 

イデコと積立NISAの比較表

制度 iDeCo(イデコ)

個人型確定拠出年金

積立NISA
利用可能期間 65歳まで 20年間
非課税上限額 職業や退職制度で相違 年間40万円
非課税対象 運用益 運用益
税制優遇 掛金全額が所得控除

受取時に一定額が非課税

 
対象商品 投資信託、定期預金、保険商品 国が定めた基準を満たした

投資信託

引出し(解約) 60歳以降

加入年齢によって65歳等

いつでも可能

 

人口減少中の日本において年金受給額が減少するのは避けられませんから、自分で申し込み、自分で掛金を拠出し、自分で運用方法を選び、その掛金とその運用益との合計額を給付として受け取るイデコが設けられました。

イデコには税制優遇が設けられており、極めて利率の低い定期預金であっても所得控除等を考慮すると高い運用利回りを得ることができます。

イデコ税制優遇のメリット

  • 会社勤務の場合、給与明細(賞与明細を含む)を見て、自分の税額を把握しておらず、単に、源泉徴収額・健康保険料・厚生年金保険料などが高いなぁと感じているだけという人が多いです。
  • 給与所得控除

これは会社から支給される給与(賞与含む)総額から一定額を差引くもので、具体的な金額は国税庁のホームページに一覧表があります。

例えば年間支給総額が600万円の場合は、600万円×20%+44万円=164万円となり600万円-164万円=436万円が所得金額となります

  • 所得控除

前述の所得金額から一定の条件に見合う費用を差引きます。

イデコの掛金全額は所得控除の対象となります。

他には、配偶者の収入が非課税範囲内であれば配偶者控除、子供がいる場合には、人数に応じて扶養控除、高額な医療費を支払っている場合には医療費控除などがあります。

近年は、テレビで宣伝している「ふるさと納税=寄付金控除」を知っている人が増えましたが、これも差引きます。

これらの控除は原則として申告が必要なので、年末になると人事部等から所定の用紙が配布されているのは覚えているのではないでしょうか。

・所得税減額の仮計算

 年収600万円で給与所得控除後436万円の税額は×20%-427,500=444,500円

 この人の所得控除がイデコ(毎月1万円)のみであった場合

 給与所得控除後436万円-12万円=424万円×20%-427,500=420,500円

 差額444,500-420,500=24,000円

 上記所得の場合、地方税は10%12,000円なので合計36,000円となります。

  • 社会保険料の減額

社会保険料には、健康保険料・厚生年金保険料などがありますが、所得が減ることにより減額されますが、標準報酬月額等の説明が必要になり、税金ほど明確に金額を提示することは難しいので割愛します。

また厚生年金保険料については本来の積立額が減額されますから、その分だけ将来の年金受給額は減ります。

現時点の支払いを減らすことだけでなく、将来の受取も減ることを理解しておいて下さい。

  • 積立金額に対して、どれだけのリターンが得られるのかを考えた時に、所得控除と社会保険料の減額は大きく、満足感は十分にあると思います。

 

しかしイデコには引出し(解約)に厳重な制約があり、例えば、怪我で働けないなどの緊急時であっても引き出すことはできませんから、積立額を幾らにするのか慎重に考えるべきです。

 

そこで、積立NISAが役立ちます。

積立NISAは、いつでも解約が可能で且つ、手数料が低水準、頻繁に分配金が支払われないなど、長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されており、投資初心者をはじめ幅広い年代の方にとって利用しやすい仕組みです。

例えば、公募株式投資信託の場合、以下の要件をすべて満たすものとなっています。

・販売手数料はゼロ(ノーロード)

・信託報酬は一定水準以下(例:国内株のインデックス投信の場合0.5%以下)に限定

・顧客毎に、過去1年間に負担した信託報酬の概算金額を通知すること

・信託契約期間が無期限または20年以上であること

・分配頻度が毎月でないこと

・ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと

 

非課税枠は毎年40万円、非課税期間は最長20年間なので、数千万円の投資とはなりませんが、緊急時に引出し可能な資産があることは安心できます。

 

仮にですが、毎月2万円の積み立てが可能であれば、イデコ1万円、積立NISA1万円とすることで、将来の備えと十分なリターンと緊急時の解約可能資産を準備することができますので、金額は少なくても早々に始めることをお勧めします。

 

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