2021年1月

年初より一都三県に緊急事態宣言が発令され、更に他府県にも宣言が出される事態となり、今年も厳しい状況が続くかもしれませんが、2021年最初は、お金を増やすことについて考えたいと思います。

 

お金を増やす

  • 自分で働いて報酬を得る(副業含む)
  • 支出を減らす
  • お金に働いて貰い収入を得る

などが考えられます。

 

1.自分で働いて報酬を得るのは確実と思われるかもしれませんが、それは報酬を約束された場合であって、自分で飲食店などを経営している場合には収入よりも支出の方が多く働いても収入を得られない場合もあります。

仕事で収入を得ている場合には、仕事で成果を出すことにより昇格して収入を増やすことが王道と思われがちですが、残念ながら近年の日本では、そうでもないようです。

2017年10月に公表された第2回社会保障審議会年金部会「近年の経済成長率と賃金上昇率の動向-バブル崩壊後の直近20年間の動向を中心に-」を参照しますと

〇過去20年平均の経済成長率は実質、名目ともにプラスである一方、賃金上昇率は実質、名目ともにマイナスとなっている。

〇過去20年平均でみると、名目経済成長率はプラスとなっているが、労働分配にあたる雇用者報酬やその内訳となる賃金・俸給はマイナスとなっている。

非正規雇用者の増加等の要因もありますが、賃金が上昇していない実態を表しており、働いて報酬を得ることは大事であるにも係わらず、その成果が増えていません。

 

このような状況だからでしょう、副業やダブルワークを認める会社も増えてきています。

就職情報大手のマイナビが採用人事担当者を対象に行った2019年8月の調査では、回答1,910件の内49.6%が「副業・兼業を認めている」とあります。

また1月21日の日本経済新聞には「IHI、8,000人の副業解禁」が大きく掲載され、日本経済新聞社のスマートワーク経営調査(2020年)によると、約3割の企業が正社員の副業を解禁しており、業種もIT企業だけでなくキリンホールディングスや東京海上日動火災保険、三菱地所などに広がりつつあるとのことです。

 

数年前に発売された「21世紀の資本」(トマ・ピケティ著)にも記載されていますが、資本収益率(r)>経済成長率(g)=資本収益率とは投資のリターンであり、経済成長率とは労働による所得の伸び率です。

過去200年にわたる欧米では、原則として(r)の方が(g)よりも大きいとあり、日本でも労働よりも投資して稼ぐ方が効率良い傾向が強くなっています。

 

次に、2.支出を減らすことにより結果としてお金を増やすのは、直ぐに出来る対策です。

総務省統計局「家計調査報告」2020年6月対前年同月実質増減率(%)では、食事代が▲30.9%、飲食代▲63.6%、鉄道運賃▲69.7%と大幅に減り、一方、保険証消耗品は105.4%と増えています。

既に家計は、収入減に応じた対策をとっている傾向がありますが、更なる対策として、住宅ローン等の借入金の条件を変えて支払い金額を減らす、保険を見直すが考えられますが、何故か行動していない人が多いようです。

筆者は保険についても専門資格を保有していますが、何事も経験ですから保険を見直す相談で「保険の窓口」へ行ったことがあります。

その感想として、説明は丁寧で、強引な勧誘はありませんでした。

当社は、優秀な保険代理店と提携して、複数社比較を含めたお客様本位の説明を丁寧に行いますから、その結果、保証が充実して保険料が下がる事例があります。

興味がある方は、ご連絡ください。

住宅ローンの見直しは、最初に現在の契約を精査する必要があります。

契約によっては、契約変更時に高額の手数料が必要な事例もありますから、新たな契約との比較は十分に行わなければなりませんが、契約期間や適用利率によっては、大きな削減効果を得ることができます。

最後は3.お金に働いて貰い収入を得る=投資してリターンを得る。

お金に働いて貰うと書きましたが、お金そのものには働く意思も能力もありません。

あなたが、どうやったらお金が増えるのか、勉強することです。

株式、債券などを買い、配当金や利息を受け取りながら値上がりしたら売却することでお金を得る。土地やマンションを買い、賃貸収入を受取りながら値上がりしたら売却することでお金を得る。などを「投資」と言いますが、投資した場合には、予想に反して値下がりして損失を被る場合もあります。

つまり、お金を得るための投資ですが、実際には値上がりするのか、値下がりするのか、先のことは分からないことを「不確実性=リスク」と言いますが、どれだけのリスクなら許容できるのかを理解することが大事です。

何に投資したら良いのか、どのように投資したら良いのか、どれだけの金額を投資したら良いのか理解すること。

価格が上下しても、予想の範囲内で収まるのであれば許容できるリスクであり、予想を逸脱するようであればリスクが高い投資です。

つまり予想からできるだけ逸脱しないように投資することが大事なのですが、そのための方法として値動きが異なる投資対象に分散することと、その投資対象に対して長期間に渡り一定間隔で同じ金額を投資することをお勧めしています。

 

具体的には、年齢が65歳以下の方であれば、非課税の特典があり、購入手数料が安価な商品が多い「つみたてNISA」がお勧めです。

また年齢が50歳以下の方であれば、非課税に加えて節税できる「iDeCoイデコ」をお勧めしています。

つみたてNISAについては昨年6月に、イデコについては7月に詳細がありますので、ご確認下さい。

 

補足として、お金の運用について基本的を記載します。

令和3年1月12日日経新聞に、数字で見るリアル世論が掲載されました。日経リサーチが2020年10~11月に全国の18歳以上の男女を無作為に抽出して郵送で実施した結果、1696件の回答を得ました。(回答率56.5%)

在宅勤務やテレワークを定着させるべきですか?との質問には、56%が定着させるべき。雇用環境を1年前と比べると?との質問には、54%が悪くなったと回答しており、ウィズコロナの世相を反映しているようですが、お金の問題への備えは?との質問には、預貯金64%、保険、個人年金への加入38%(複数回答可)となっており投資が定着していないことが改めて明確になりました。

 

銀行へ預金する場合には投資するとは言わず、お金を預けると言いますが、そのお金を預かった銀行は、事業会社へ運転資金として貸す、国債や株式等の有価証券で運用しており、つまり投資しています。

これは銀行に限らず、生命保険に加入した場合には生命保険会社が、自動車保険に加入した場合には損害保険会社が等、各共済組合も同様です。

あなた自身はお金を預金したから確定した利息を得ることができますが、預金した先の銀行はお金を投資して収入を得る場合もありますし、損失を被る場合もあります。

例え損失を被ったとしても、約束した利息は払わなければなりませんが、1997年に破綻した北海道拓殖銀行では、破綻に伴い預金が払い戻しされないとの懸念から事前に預金解約が始まり、最後は日本銀行の全面支援で現金を用意し、預金者を保護しました。

 

現時点では銀行が破綻した場合には、預金者保護法により、「当座預金」「利息のつかない普通預金」等の決済用預金は全額保護されますが、通常の普通預金などは預金者一人当たり1,000万円までが保護の対象で1,000万円を超えた部分と外貨預金などは破綻した銀行の財産状況に応じて支払われるため、一部カットされることがあります。

現時点銀行の普通預金金利は、0.001%となっていることが多いのですが、1,000万円を1年間預けて利息は100円しか得られないにも係わらず、1,000万円を超えた部分は保証されていないのです。

もう一つ重要なのは、「インフレーションこそが、最も重い税金である」(ウォーレン・バフェット)という点です。

日本にはインフレーションが生じないと思っている人は多いのですが、実際にはスタグフレーション(景気が後退しながら物価が上昇すること)ともいえる状態で、一例として東京ディズニーランドは開業時の3,900円が今は8,200円です。

ユニクロやスシローなどの功績で衣服費・特定の食品などの価格は落ち着いていますが、公共料金が値下がりしたことはありませんし、前述の通り、賃金は上昇していないのに健康保険料などの社会保障費負担は年々増加して可処分所得は減少しています。

このような状況を反映してネット証券の口座開設は増加しているのですが、まだまだ投資のすそ野は広がっていませんから、これからも投資の必要性と知識を普及することに努力してまいります。

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