2020年4月
今月から投資について3回連続でご案内します。
1回目は入門編で、2回目は分散投資・長期投資に加えて有利な制度を、3回目は、実践編とする予定です。
平成初期に「きんさん、ぎんさん」という100歳を超えた双子姉妹が大人気でしたが、「どうして、そんなに働くのですか?」とのインタビューへの回答が「老後に備えるため」!!!
これは極端なエピソードですが、何のためにお金を貯めるのか、結婚資金、教育資金、住宅資金、老後資金などを考えた時に、結婚・教育は比較的短期間で、住宅・老後は長期間でお金を貯めるという時間軸があります。
更に住宅の場合は、ある程度の頭金を貯めて住宅ローンということが考えられますから、平均寿命が長くなりつつある我々としては、どうしても老後資金を貯めるということが本題となり、一般的には、年齢で分けて考えます。
- 現役世代=資産形成層=つみたてNISAやiDeCoなどの制度を活用し、分散投資・長期投資で資産を形成
- シルバー世代=資産運用層=公的年金では不足する老後の生活費を確保しつつ、長生きリスクを考えて資産がマイナスにならないように運用
もし、資産が残るようであれば、「誰に、いくら、どうやって」残すという相続を考えます。
では、どうするのか?
例えばコマーシャルで良く見る大手銀行や証券会社へ行くのも良いでしょう。
近頃はノルマや出世、転勤に縛られない、当社のような独立系金融アドバイザー(IFA)へ相談してみるのも一案ですし、自分で多少なりとも勉強するのも良いと思います。
独立系金融アドバイザー(IFA)は大手銀行や証券会社と比べますと知名度は低いですが、長年に渡り金融の専門家としての経験がありますし、当社は大手同様にフィデューシャリー宣言(顧客本位の業務運営)をホームページに掲載しています。
この宣言をしている会社は、お客様と向き合い、各種の情報をわかりやすくご説明し、お客様の利益に適う金融商品・サービスを提供するなどお客様本位の業務運営を行います。
相談してみて納得できないとか苦情などがある場合には、受付の連絡先をホームページへ掲載しています。
当社:苦情相談窓口 本社:03-5826-4785 業務・コンプライアンス部長
自分で勉強する方は、こちらをご覧ください。
投資の初歩となります定期預金からご案内します。(普通預金よりは金利が良いです)
1.定期預金
3ケ月もの円定期預金 年0.5%「税引後年0.39%」 「普通預金0.04%」
この定期預金へ100万円を預金して1年後に、受け取れる利息は次の3つのどれでしょうか?
- 5,000円
- 3,985円
- 1,240円
計算式
受取利息(3ケ月)
100万円×0.5%÷365日×92日=1,260円 ここから源泉税を差し引きます。
1,260×20.315%(源泉税)=255円 1,260-255=1,005円
残りの9ケ月に受け取れる利息
100万円×0.04%÷365×273日=299円 299×20.315%=60円
299-60=235円 1,005円+235円=③ 1,240円
ご説明
金利は年間単位で表示します。「3ケ月もの円定期預金 年0.5%」の預金であれば、3ケ月間は0.5%の金利ですが、3ケ月以降は普通預金へ切り替わります。
預金金利や債券利息は源泉分離課税で、他の所得と全く分離して、一定の税率で所得税を源泉徴収し、それだけで所得税の納税が完結するというものです。
源泉税20(国税15+地方税5)+復興特別所得税0.315=20.315%
2.外貨預金(面倒なので飛ばしても良いです)
「高金利のオーストラリアドル預金 1ケ月定期年12%(為替スプレッド片道最大1円)」
なお計算を簡単にするため、オーストラリアドルの為替レートは投資した時と引き出す時の双方が同じとしますので為替レートの変動による利益や損失は無いものとします。
またこちらの定期預金は1ケ月満期なので1月後に引き出します。
定期預金へ100万円を預金して1月後に、預金は増えているでしょうか、減っているでしょうか。
- 増えている
- 減っている
ご説明
国際的な取引の多くは外国為替を利用して金銭の受払いが行われます。最初に決済通貨(どの通貨で金銭の受払いをするか)を決め、自国通貨でない場合には、通貨を交換しなければなりません。この日本円と現地通貨との交換レートを為替レートと言い、外国の商品へ投資する場合には、為替について知る必要があります。
日本円を現地通貨へ、現地通貨を日本円へ交換する場合、その都度、交換するための手数料を払わなければなりません。
そのため円高でも円安でもなく、為替レートが同一の場合でも手数料分だけ損失が発生します。
計算式
オーストラリアドルの為替レートが65円の時に、この65円は仲値(対顧客取引の基準となるレート)で、実際の買値は66円となります。
為替スプレッド片道最大1円とは、この買値と仲値の差をいいます。
仮に100万円を預金した場合は、100万円÷66=15,151.51オーストラリアドル
これに1ケ月で12%の利息がつくと思われたら間違いです。
前述しました通り、1ケ月は年利12なので÷12=1ケ月1%の利息となります。
15,151.51×1%=151.51の利息に対して源泉税20%(国税15%+地方税5%)+復興特別所得税0.315%=20.315%が差し引かれます。
151.51×20.315%=30.77
受取利息は151.51-30.77=120.74 となります。
1月後の為替レートは買った時と同じだったとしますと売値は65円-1円=64円。
(15,151.51(元本)+120.74(利息))×64=977,424円 回答②減っている
金利が12%だから儲かると思って預金したら1ケ月で2万円以上も損してしまった。
補足ですが、外貨預金は預金保険の対象外なので、信用力の高い銀行をお勧めします。
このように預金と名前はついていますが、外貨となれば為替で損失を被る可能性があります。
また普通に考えて、今の低金利下では何らかのリスクを伴わない限り、3%以上の利回り商品はありません。もしあるとしたら内容は疑わしいものですから手を出さないでください。
では、どのようなリスクなら「やってみる」価値があるでしょうか?
投資を考える場合に、重要なのは「リスクとリターンの関係」です。
リスクとは、「結果が不確実であること」を意味します。具体的には、リターン(投資を行うことで得られる収益)の振れ幅のことを指します。
リスクとリターンの関係は、表裏一体の関係といえます。「リスクが大きなものほどリターンが大きい(ハイリスク・ハイリターン)」「リスクが小さいものほどリターンが小さい(ローリスク・ローリターン)」という傾向があります。
つまり、大きな収益を期待すると、リスクが大きくなり、逆に大きな損失の可能性も増す、ということです。
結果としてリターンは小さくても、リスクが小さい銀行預金が良いと考える人は多いですが、問題なのは、リターンが小さすぎて必要な老後資金を貯めることができないということです。
前述の通り、結婚、教育、住宅資金を貯めながら老後資金を貯めるとしたら、毎月1万円を捻出するのは大変です。
仮にAさんが45歳から65歳までの20年間に毎月1万円を貯金して金利が0.002%の場合
2,400,290円となり、金利が0.01%であっても2,401,833円にしかなりません。
損失はありませんが、ほぼ積立てた金額のみとなり「お金が働いていない」ことになります。
Bさんが同じ20年間(2000年4月)から毎月1万円で日経平均株価を購入した場合
(日経平均株価とは、日本を代表する225銘柄の上場株式の平均株価で、日本の代表的な株価指標です。)
日経平均株価は取引所に上場しており価格が刻々と変化しますので、安い時に買って、高い時に売れば儲かりますし、逆の場合は損失を被ります。
Bさんは株価や資産価値などを見ることなく、会社の定年退職月の3月に売却して
240万円の投資で3,066,580円を受け取りました。
Cさんも同じく20年前(2000年4月)から毎月1万円で日経平均株価を購入していましたが、
Bさんとは違い、株価や資産価値を見る人でしたから今年1月に売却して
238万円の投資で4,299,479円を受け取りました。
たった2カ月で約125万円もの差がありますから、価格が変動するものに投資した場合は、価格の動きを自分で確認し、自分で売却の指示を行わなければなりませんが、どちらの場合も「お金が働いている」ので、積立てた金額よりも大きく増えています。
何故でしょうか??
価格が変動して損失を被るというリスクを理解した上で、分散投資・長期投資を行ったからです。
分散投資:日経平均株価とは、東証第一部上場銘柄のうち取引が活発で流動性の高い225銘柄を、日本経済新聞社が選定し算出する日本の株式市場の代表的な株価指標の一つですから分散投資の対象として適正です。
長期投資:短期間で売買をくり返すことなく、長期にわたって金融商品をそのまま持ち続ける投資のことです。投資期間が長くなるにしたがって、投資の平均収益率は安定していく傾向にあります。
次回は、分散投資・長期投資に加えて有利な制度と商品についてご紹介する予定です。